対馬市の中央部に位置する対馬随一の景勝地浅茅湾。その南に位置する城山半島の頂上から尾根線に沿い、谷筋に築かれた山城が金田城です。西暦667年(天智天皇6)『日本書紀』11月の条に「是月築 倭國高安城 讃岐國山田郡ノ屋嶋城 対馬國ノ金田城」と記載されています。
1982年(昭和57)に「金田城跡」として国の特別史跡に指定され、1985年(昭和60)から2018年(平成30)まで掛かりましたが、第一期整備を終えています。
そんな金田城ですが、近年はメディアに多く取り上げられています。2017年(平成29年)4月6日に、財団法人日本城郭協会が設立50周年を記念して選定した「続日本100名城」に選定されたのを皮切りに、2019年(令和元)9月16日には、NHKの特別番組「あなたも絶対行きたくなる!日本『最強の城』スペシャル第4弾」に登場、この回の『最強の城』に選ばれました。2022年(令和4)9月3日には読売テレビ制作の「遠くへ行きたい」に登場し、2022年(令和4年)10月15・22日にはNHKの「ブラタモリ(対馬~日本史最前線!国境の島が果たした役割とは?~)」に登場するなど、メディア露出が急増し、来訪者が急激に増えました。季節柄、春・秋は特に多くの人が訪れています。
今回は、そんな金田城を訪れるための必須情報(交通手段、所持品)と、おすすめの特徴・魅力についてご紹介します。
まずは金田城までの移動手段です。対馬の玄関口である対馬空港及び厳原港からは、レンタカー(またはタクシー)がとても便利です。対馬空港から約15分、厳原港から約25分で金田城の入口(県道分岐)に到着します。県道24号線から林道に入ること約2㎞。幅員3mほどの道を進むと金田城登城(山)口に到着します。この2㎞の道は見通しが悪く狭いため、徐行運転を心がけてください!最後の200mほどは未舗装の道になります。少々不安になるかもしれませんが、そのまま進んでいくと2m四方の大きな説明板が見えてきます。この説明板が登城(山)口の目印です。
この登城(山)口付近は狭小のため、車両は3~4台程度駐車するスペースしかありません。もしも駐車スペースが無い場合は、登城(山)口から約200m手前付近の道沿いに、駐車スペースがあります。また、登城(山)口の奥にあるトイレカーの近くにも数台駐車が可能です。城内にはトイレがありませんので、こちらのトイレカーをご利用ください。
金田城は、城山という標高276mの山を一周するように石塁が築かれています。アップダウンは当然ありますが、標高だけでいうと『軽登山』と言って良いかと思いますので、見学の際は油断せず、登山装備で臨まれることをお勧めします。服装は帽子、タオル、トレッキングシューズ、バックパック、携行品は携帯電話、飲料水、チョコレート・飴など。特に飲料水は、季節や城内での滞在時間によって量は増減するかと思いますが、必ずお持ちください。
次に城跡の特徴です。登城(山)口から登山道(旧軍道)を歩くこと約15分で金田城南門直下へ到着します。ここは城の最南端に位置し東側に眺望が開け、ビュースポットとして知られ、石塁と浅茅湾(海)を望む景色に見取れてしまうこと間違いなしです。山城なのに海が近いことにも驚かされます。
登山道は傾斜が緩やかで歩きやすく、城内は鳥のさえずり、漁船のエンジン音以外は聞こえず、都会の喧騒と真逆の環境を体感できます。
金田城最大の特徴は石塁と城戸、そして眺望です。東南角石塁は外側に園路を設けているので、直下で古代人が積み上げた労苦を感じることができます。
城戸(城門跡)は3カ所あります。それぞれに特徴があり、全て見学してほしいのですが、時間や体力的に制約がある場合、三ノ城戸を訪れてみてください。谷筋に造られたことから、大雨時に上流から流れる雨水によって破壊され、城門内部は原型を留めていませんが、側壁と2つの礎石が遺っています。海側から見て左側の石垣は6.7mと城内で最も高く、堅牢な造りに圧倒されます。築造されてから1350年以上時が経つのですが、堅固な偉容は健在で、遺っている水門は雨上がりに排水機能として今も生きています。
南門直下から登山道(旧軍道)を進むと約40分で城山砲台に着きます。1901年(明治34)に完成した城山砲台は、28㎝榴弾砲4門が配備され、ロシア侵攻に備え造られました。最初に見える砲座の周囲には松が生い茂っていますが、砲座の間を進むと、前方に視界が大きく開けます。ここからの眺めも十分に素晴らしく、眼下に広がる浅茅湾を一望できますが、ここより素晴らしい景色が、堪能できる場所に行くことをお勧めいたします。砲座を背にして西に延びる狭い登山道を数分登ると山頂につながります。山頂からは対馬随一の景勝地浅茅湾の景色が堪能できます。初登城の方はおもわず声が出るほどの360度大パノラマの景観に見取れてしまうことでしょう。実は、同じく浅茅湾を見下ろす景色を臨むことができる白嶽(519m)は、より遠くを見渡せる圧巻の景色が広がっていますが、本格登山の体力と時間を要します。その点、金田城は緩やかな登山道を無理なく登れるという点が魅力です。標高276mでありながら、眼下の浅茅湾を一望することができ、条件さえ整えば浅茅湾の入口である大口瀬戸の先に韓国の稜線を視界に収めることも可能です。
山頂から北側~北西方向を見ると、景色の中に人工物が極めて少ないことに気づきます。防人が見張ったはずの場所に立ち、古代から大きく変わることのない景色を臨むことができるのです。
登城(山)入口から旧軍道を通って登る城山砲台跡、山頂までの往復は登山初心者の方も気軽に楽しめます。城の東側に集中する城戸方面を見学する場合は、アップダウンがありますので、杖などがあると便利です。ちなみに杖は登城(山)入口にありますので、ご自由にお使いください。城山砲台 ~ 一ノ城戸間は尾根線沿いルートになります。石塁の内側を歩くルートになるのですが、アップダウンがあり中上級者向けのコースになるので、体力と時間に余裕を持っていただくようお願いいたします。
最後に金田城を楽しむための各種スポットをご紹介します。
対馬市厳原町にある観光情報館「ふれあい処つしま」には、金田城のジオラマ(1/550)が設置されています。観光の間では、対馬の歴史が全て学ぶことができますので、お勧めのスポットです。隣接する特産品の間では、対馬のお土産はもちろん、アンゴルモア、ゴーストオブツシマのグッズも購入することができます。
初対馬、初金田城の方で、運転に不安な場合、タクシーを使うと道中安心できます。金田城ガイドを依頼されたい方は、対馬観光物産協会までご連絡ください。
大分県出身。1996年から旧美津島町職員として奉職し、現在は対馬市教育委員会文化財課に籍を置く。縁もゆかりもない対馬での生活も29年目を迎える。近年は史跡の管理と活用に主眼を置き、取り組んでいるが、壁にぶつかってばかり・・・
趣味はジョギングと筋トレ、読書、映画鑑賞など。
★金田城ジオラマ
ふれあい処つしま「観光の間」
〒817-0021 長崎県対馬市厳原町今屋敷672番地1
TEL:0920-52-1566
観光の間 9:00~17:00
★金田城ガイド
https://www.tsushima-net.org/experience/genre/kanedajo
対馬観光物産協会
https://www.tsushima-net.org
0920-52-1566